写真集の爆発的セールスへと直結した決定打が、日活が社運を賭けて製作した五月みどりの映画出演作『マダムスキャンダル 10秒死なせて』(1982年公開)である。大物歌手がにっかつロマンポルノのスクリーンで一糸まとわぬ姿を晒すという前代未聞の事態に、映画界とマスメディアは蜂の巣をつついたような大騒ぎとなった。
この映画の衝撃をそのままパッケージ化する形でリリースされたのが、熱狂を巻き起こした『五月みどり 写真集』である。平凡出版(現・マガジンハウス)の別冊をはじめとする複数のグラビア書籍において、彼女は鍛え上げられたウエストと豊かな肢体を惜しげもなく披露した。レンズの前で見せたのは、恥じらいではなく、自らの肉体を肯定し尽くした大人の艶やかさだった。
当時、写真集を手掛けた編集スタッフの回顧録によると、「スタジオに入った瞬間、五月さんは迷いを見せるどころか、自ら照明の当たり方や角度を吟味していた」という。単なる受動的な被写体ではなく、表現者として主体的に関わったからこそ、40年以上の歳月を経ても古びないアートピースとしての完成度を獲得した。