京本大我が映像作品で見せる最大の武器は、浮世離れした透明感と内面に渦巻く泥臭い人間味のギャップにあります。初期の出演作から一貫して、単なる「アイドルのドラマ進出」にとどまらない骨太なアプローチを続けてきました。
2012年の日本テレビ系『私立バカレア高校』寺川麻耶役で見せたシャープなアクションと翳りのある表情は、ジュニア時代からのファンにとって今なお語り草です。しかし、俳優・京本大我の真価が広く世に知らしめられたのは、2022年10月期に放送された日本テレビ系シンドラ『束の間の一花』でした。
本作で演じたのは、余命宣告を受けた哲学講師・萬木昭史。いつ終わるかわからない命を抱えながら、同じく余命宣告を受けた女子大生・千田原一花(藤原さくら)と心を通わせていく難役です。死を前にした人間の諦念と、誰かを愛することで生まれる生への執着を、京本は静かな眼差しと抑え込んだトーンで熱演。当時の制作発表やインタビューでも「萬木先生が抱える孤独の深さをどう表現するか、台本を抱きしめるようにして向き合った」と明かしており、感情を爆発させるのではなく「静かに滲み出る哀哀」を体現したことで、業界内外から絶賛を浴びました。
続いて2023年1月期のテレビ朝日系オシドラサタデー『ハマる男に蹴りたい女』では、主人公の恋敵となるエリートWeb制作会社社員・香取俊を好演。仕事ができ、爽やかで非の打ち所がない「完璧な当て馬」という難しい立ち位置を、スマートな身のこなしと時折見せる嫉妬の影で見事に表現しました。
そして2024年4月期、カンテレ・フジテレビ系「火ドラ★イレブン」枠で放送された『お迎え渋谷くん』にて、全国ネットの連続ドラマ初主演を果たします。若手売れっ子俳優でありながら恋愛経験ゼロ、保育園に通う妹を溺愛する不器用な主人公・渋谷大海という個性的なキャラクターを担当。無表情を崩さないシュールなコミカルさから、恋に落ちて動揺する純真な姿までを巧みに演じ分け、俳優としてのレンジの広さを証明しました。