高尾山で滝行を受け入れている道場は、高尾山薬王院が管理する琵琶滝(びわたき)と蛇滝(じゃたき)の2カ所のみです。インターネット上では「初心者にはどちらが良いのか」という疑問が頻繁に投げかけられていますが、両者には立地環境や雰囲気、受け入れ態勢において明確な差異が存在します。
琵琶滝は、ケーブルカー清滝駅から徒歩約20分の「病院裏コース(6号路方面)」沿いに位置します。登山道から比較的近く、道場施設が開放的に整備されているため、初めて滝行に挑戦する一般参拝者や女性の参加が目立ちます。一方の蛇滝は、甲州街道沿いの蛇滝口バス停から鬱蒼とした山道を20分ほど登った裏高尾の深林に佇んでいます。かつて修験者が籠もったとされる幽玄な空気が色濃く漂い、俗世から完全に隔絶された静寂の中で修行に没頭したい層に選ばれる傾向があります。
どちらの道場でも、高尾山薬王院の指導僧や道場指導員が立ち会い、入滝前の礼拝、九字切りや真言の唱和、呼吸法、出滝後の作法まで一連の所作を丁寧に教授します。「いきなり激流に突き落とされる」ようなことは一切なく、厳格な安全基準のもとで進行するため、事前の心得さえ守れば未経験者でも不安なく参加できる体制が整っています。