胃や腸は、食べ物を消化・吸収しながら肛門側へと運ぶために、筋肉をリズミカルに収縮・弛緩させています。この一連の動きを胃腸の蠕動運動(ぜんどううんどう)と呼びます。蠕動運動の際、消化管内に存在する「液体(胃液や水分)」と「気体(空気や腸内ガス)」が狭い管腔を通り抜ける過程で激しく撹拌され、摩擦や泡のはじける音が生じます。これが腹鳴(Borborigmus)の正体です。
空腹時に鳴る現象は、胃が完全に空になった後、残った食べかすや細菌を大掃除するために強い収縮波を起こす「伝播性消化管収縮運動(MMC)」によるものです。一方で、食後やすいていない時に鳴る音は、消化活動そのものが順調に行われている証拠であり、胃から十二指腸、小腸、大腸へと内容物が移動する物理的な摩擦音に過ぎません。
特に「ポコポコ」「キュルキュル」といった高い音が鳴る時は、腸管内に過剰なガスが溜まっており、水分と混ざり合いながら気泡が移動している状態です。消化管内にガスが多量に発生・滞留していると、わずかな蠕動運動でも共鳴板のように音が反響し、体外へ大きく響き渡ることになります。