SNSを中心に過熱する「サラダ油=危険物質」という言説。食品安全委員会の取材や業界統計を精査すると、サラダ油のリノール酸危険説の真相は、成分そのものの毒性というよりも「製造工程と調理環境における酸化リスク」が混同されて語られている側面が強いことが見えてきます。
精製されたサラダ油は耐熱性に優れ、安価で安定した品質を持つ優秀な調理素材です。しかし、リノール酸は二重結合を2つ持つ不飽和脂肪酸であるため、高温加熱や長時間の空気接触によって酸化されやすいという弱点を抱えています。揚げ物を何度も使い回したり、外食産業やコンビニのフライヤーで過度に加熱された油では、過酸化脂質や「ヒドロキシノネナール」と呼ばれる神経毒性・細胞毒性を持つアルデヒド化合物が微量生成されるリスクが指摘されています。
知恵袋やコミュニティ掲示板では「サラダ油を一切断ったら体調が劇的に良くなった」という投稿が散見されます。しかし、これも「サラダ油そのものが毒だった」というよりは、油断ちを試みたことで副産物としてファストフードや冷凍揚げ物、スナック菓子などの超加工食品を同時に遮断できた結果、極端なカロリーと酸化脂質の摂取が是正されたと解釈するのが科学的に妥当です。