ネット上には「表情筋を鍛えれば誰でも10歳若返る」という言説が溢れていますが、表情筋トレーニング 皮膚科医の見解は極めて慎重です。皮膚科医や形成外科医の多くが「顔のシワの多くは、皮下組織のボリューム減少と、長年の表情筋の過剰な動き(筋肉の過収縮)によって作られる」という事実を指摘しています。
実際、医療現場で行われるシワ治療の代表格である「ボトックス注射」は、筋肉の過剰な動きを麻痺させてシワの定着を防ぐ治療法です。つまり、医学的には「筋肉の動きを抑えること」がシワ予防の正解であるにもかかわらず、セルフ筋トレでは真逆の「筋肉を過剰に収縮させること」に躍起になっているのです。この解剖学的矛盾こそが、最大の盲点といえます。
また、「表情筋が衰えてたるむ」という説も半分は誤解です。加齢による顔のたるみの主因は、頭蓋骨の骨吸収(骨縮小)、皮下脂肪の下垂・減少、そして皮膚自体のコラーゲン劣化です。数ミリ程度の薄い表情筋を肥大化させたところで、皮膚全体の重量や失われたボリュームを物理的に支え切ることはできません。