リニューアル後の江戸東京博物館において、来館者を迎える最大のハイライトは依然として実物大で再現された「日本橋」です。常設展示室へ足を踏み入れると、江戸時代初期(寛永期)の日本橋の北側半分が木造原寸大で目の前に広がり、橋を渡ることで観覧者自身が江戸の町へとタイムスリップする設計思想はしっかりと継承されています。
さらに注目すべきは、展示空間全体のデジタル・トランスフォーメーション(DX)です。旧来の精巧な町人地ジオラマや大名屋敷の模型に加え、AR(拡張現実)や高精細プロジェクション技術を活用し、長屋で暮らす庶民の息遣いや火消しの活躍、明治・大正・昭和の銀座通りの変遷がより立体的に体感できるようになります。「見るだけ」の博物館から「五感で歩く体験型歴史空間」への進化が期待されています。