総務省が公表する「地方公務員給与実態調査」や文部科学省の関連資料を総合的に分析すると、公立小学校教員全体の平均年収は約620万〜660万円(平均年齢41〜43歳前後)で推移しています。これは日本の給与所得者の平均年収(約460万円前後)を大きく上回っており、一見すると恵まれた水準に見えます。しかし、公務員の給与は年功序列型の「給料表(級号俸)」に基づいて設計されており、年代によって手取り額や生活水準の体感は大きく異なります。
大学を卒業して教壇に立つ20代前半の初任給は月額約22万〜24万円程度(教職調整額や地域手当を含む)であり、各種税金や共済組合費(社会保険料)が控除された後の手取り額は月18万〜19万円前後にとどまります。夏・冬のボーナス(期末・勤勉手当)は年間で約4.4〜4.5ヶ月分が支給されるため、20代前半の初年度年収は約320万〜350万円、20代後半で400万〜450万円へと上昇していきます。
30代に入ると、学級担任としての主力を担いながら学年主任などの校務分掌を受け持つ機会が増加し、年収は30代前半で約480万〜520万円(手取り月額約25万〜27万円)、30代後半には約550万〜600万円(手取り月額約28万〜31万円)に達します。子育て世代となるこの時期は、安定した昇給が家計の支えとなる一方、後述する業務量の爆発的な増加に直面する時期でもあります。
40代から50代にかけては、主幹教諭や指導教諭への昇任、あるいは教頭・校長といった管理職登用に伴い、給与水準はピークを迎えます。40代の平均年収は約650万〜720万円、50代では約750万〜820万円に達し、手取り月額も35万〜42万円前後まで伸びます。管理職手当が付く校長クラスであれば、年収850万〜950万円前後が現実的な到達ラインとなります。