現場の教職員や教育委員会から最も多く寄せられる疑問が、「GIGAスクール構想と何が違うのか」という点です。結論から言えば、GIGAスクール構想が教育ICTの「土台作り(インフラ整備)」であったのに対し、スマートスクール構想はその土台の上で動く「データの統合・高度利活用」を指します。
2019年末に打ち出されたGIGAスクール構想は、全国の小中学校に1人1台端末と校内高速通信ネットワークを一斉配備することに主眼が置かれていました。一方、文部科学省が推し進めるスマートスクール文部科学省施策や各自治体の構想は、整備された端末から得られる「学習系データ(授業履歴、小テスト結果、ドリル学習のログ)」と、教務手帳に記されてきた「校務系データ(出欠状況、健康診断結果、通知表、指導要録)」をセキュアに連携させることを最大の狙いとしています。
文部科学省が公表した次世代校務DXのガイドラインでも示されている通り、これまでは情報漏洩を防ぐために「校務系」と「学習系」のネットワークが物理的・論理的に遮断されていました。その結果、教員は教室で児童のタブレット画面を確認した後、職員室に戻って別の専用PCに同じ評価を手作業で二重入力するという本末転倒な事態が生じていたのです。校務支援システム連携を軸とするスマートスクール化は、この二重入力を全廃し、児童生徒一人ひとりのつまずきやメンタルの変化を可視化することを目指しています。