原作小説と映画版の最大の違いは、主人公・時田数の物語とクライマックスの構成にあります。原作では第1作の時点では数が母になるエピソードや過去への旅は控えめに描かれますが、映画版ではオリジナル展開として母娘の再会と魂の解放がドラマチックに描かれました。
劇中、時田数(有村架純)は恋人である新谷亮介(伊藤健太郎)の後押しを受け、自らもタイムスリップを決意します。時田家の掟により「時田家の女性」しかコーヒーを淹れられないため、未来からやってきた自分の娘(美礼)が淹れたコーヒーを飲むことで、過去へと飛ぶことが可能になりました。
過去で再会した母(石田ゆり子)から告げられたのは、「自分を置いて逝った」のではなく、「病で先が長くないと悟り、最後に一度だけ数の未来の姿を見に行こうとして戻れなくなった」という衝撃の真実でした。母の深い愛を知った数は、抱え続けていた罪悪感から解き放たれます。「過去は変えられなくても、人の心は変えられる」――この結末こそが、本作が多くの観客の涙を誘った最大のメッセージとなっています。