数ある候補のなかで、ルフィの結婚相手の筆頭として名前が挙がるのは九蛇海賊団船長にして元王下七武海のボア・ハンコックです。世界屈指の美貌を誇る「海賊女帝」でありながら、ルフィに対してだけは盲目的かつ献身的な愛情を捧げ、食事の世話から海軍の包囲網突破に至るまで命懸けで尽くしてきました。
しかし原作コミックス第61巻598話において、修業を終えたルフィはハンコックからの「結婚」という言葉に対し、「結婚はしねェがありがとな!」と即座に返答しています。この明快な拒絶はギャグ描写の範疇に留まらず、ルフィという人間の根源的な価値観を象徴しています。ルフィにとって結婚は「行動を制約される契約」であり、彼が追い求める「完全なる自由」と対立する概念だからです。
それでもなお「ボア・ハンコックとの結婚」が有力視され続ける背景には、尾田栄一郎氏が敬愛する鳥山明氏の名作『ドラゴンボール』の先例があります。主人公・孫悟空は女性や結婚の何たるかを全く理解しないまま育ちましたが、幼少期の「ヨメにもらう」という約束をチチから迫られ、断ることなくあっさりと結婚しました。もし最終回でルフィが何らかの事情により結婚を受け入れるとすれば、強引に既成事実を作り上げて押し切るハンコックの行動力以外に考えにくいという論理です。