ネット上の情報やSNSの口コミを検証すると、クレソンの扱いにおいていくつか見過ごされがちな注意点が存在します。
最大の失敗要因は「加熱のしすぎ」です。クレソンは組織が非常に繊細なため、ほうれん草や小松菜と同じ感覚で数分間煮込んだり炒めたりすると、鮮やかな緑色がくすんだ茶褐色に変色し、持ち味である爽快な香気成分が完全に揮発してしまいます。加熱調理時の鉄則は「火を止める直前に加え、余熱で火を通す」感覚を守ることです。
また、自生しているクレソンを清流で見かけて採取するケースが増えていますが、天然クレソンには注意が必要です。清流であっても野生動物が生息する環境では、肝蛭(かんてつ)などの寄生虫がクレソンの葉や茎に付着しているリスクがあります。野生のクレソンを口にする場合は、生食を避け、中心部までしっかり加熱するか、信頼できる流通ルートのハウス栽培品・露地栽培品を購入するのが衛生管理上の基本です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
クレソンを日々の食事に積極的に取り入れるべき人と、少し注意を払うべき人の基準は明確です。
【積極的に取り入れたい人】
日常的に肉料理を好む方、日々の野菜不足を感じており効率的に抗酸化物質を補給したい方、ワインやお酒に合う大人のハーブ系副菜を手軽に作りたい方には、これ以上ない食材です。少量でも栄養密度が高いため、日々のコンディショニングに寄与します。
【食べる量に注意したい人】
クレソンに含まれるシニグリンは胃腸を刺激するため、極度の胃潰瘍や胃炎を患っている方が一度に大量の生クレソンを摂取すると、胃がシクシクと痛む場合があります。また、微量のシュウ酸も含まれるため、結石のリスクを指摘されている方は、生食連用を避け、サッと茹でて水にさらすアク抜き調理を選択するのが賢明です。