1992年バルセロナ五輪の直前、左膝の靱帯に重傷を負いながらも、不屈の闘志で一本背負い投げを繰り出し金メダルを獲得した姿は、今なお日本スポーツ史の最高峰として語り継がれています。現役引退後は全日本女子柔道チームのコーチとして谷本歩実選手を五輪2連覇へ導くなど、指導者としても卓越した手腕を発揮しました。
2003年に神奈川県川崎市に創設した町道場「古賀塾」は、現在もその理念を色濃く受け継いでいます。古賀氏の長男・古賀颯人氏、次男・古賀玄暉氏、そして長女・古賀ひより氏はいずれも柔道家として第一線で活躍し、父の教えである「礼節と挑戦の精神」を体現し続けています。
道場の畳の上に掲げられた古賀氏の教えは、単に勝敗を競うだけでなく、人間形成の道としての柔道を次世代へ伝える灯火として今も輝きを失っていません。
【プロの結論】トップアスリートの忍耐強さが病気発見に及ぼす心理的盲点
古賀氏の早すぎる逝去は、私たちに極めて重要な医療・心理学的教訓を突きつけています。過酷な鍛錬を乗り越えてきた一流アスリートや日頃から我慢強い人物ほど、「少々の身体の違和感や痛みを精神力で耐え忍んでしまう」という心理的傾向(ペイン・トレランスの高さ)が存在します。
特に膵臓がんをはじめとする難治性がんは、背中の鈍痛、胃の不快感、急激な体重減少といったわずかな予兆しか示さないケースが少なくありません。「自分は体力があるから大丈夫だ」「この程度の疲れは休めば治る」と過信せず、定期的な腹部エコーやMRI・CT検査を受診することが、何よりも代えがたい命を守る防波堤となります。