シンガーソングライター・岡村孝子が2011年9月7日にリリースした通算31枚目のシングル『雨上がりの虹のように』。本作は、名曲『夢をあきらめないで』などで日本のポップスシーンに金字塔を打ち立ててきた彼女が、円熟期において自らの人生観をありのままに注ぎ込んだ渾身の作品です。
音楽プロデューサーやレコード会社関係者の当時の記録によると、本作が生まれた背景には「平坦ではない日々を懸命に生きるすべての人へのエール」という明確な信念がありました。岡村自身、歌手活動や私生活において幾多の転機や葛藤を経験しており、その過程で流した涙が決して無駄ではなかったという実感が、歌詞の一行一行に投影されています。編曲を手掛けた名匠・萩田光雄によるオーガニックで壮大なストリングスアレンジも相まって、聴く者の孤独にそっと寄り添うサウンドスケープが完成しました。
公式アルバム『勇気』にも収録された本作は、単なるポジティブソングにとどまりません。つらい現実を否定せず、「雨が降るからこそ美しい虹がかかる」という自然の摂理を人間の生き方に重ね合わせたからこそ、10年以上の歳月を経てもなお世代を超えて共感を呼び続けています。