結婚式のお呼ばれ靴において、もっとも避けるべきとされる代表例が「オープントゥ(つま先が開いた靴)」やサンダル、ミュールなどの露出度が高いフットウェアです。ファッション誌やアパレルショップでは華やかなオープントゥパンプスが並ぶことも珍しくありませんが、なぜフォーマルな婚礼の現場ではこれほどまでに敬遠されるのでしょうか。
その背景には、お呼ばれ靴つま先マナー経緯として語り継がれてきた日本の伝統的な言霊(ことだま)信仰と、西欧のプロトコール(国際儀礼)の双方が関係しています。日本国内のブライダル現場において、オープントゥは「妻が先に出る(夫より前に出て出しゃばる)」あるいは「爪先=妻裂く(夫婦の縁が裂ける・破談)」という忌み言葉や不吉な語呂合わせを連想させるため、縁起を担ぐ慶事の場では徹底して避けられてきたという経緯があります。
さらに西欧の伝統的ドレスコードにおいても、昼間の正礼装および準礼装では「過度な肌の露出を慎む」ことが最大の敬意とされてきました。つま先やかかとが露出するサンダルやミュール、バックストラップのみの靴は、本来リゾートやカジュアルシーンに属するアイテムです。そのため、厳粛な愛の誓いを交わす挙式や格式ある披露宴会場では、足指を完全に覆うクローズドトゥパンプスを着用することが、新郎新婦やそのご親族に対する礼節の基本と位置づけられています。
ほかにも見落としがちな結婚式靴NG例理由として、以下のような要素が挙げられます。
- バイカラー(2色使い)のパンプス:「色が分かれている=別れ」を想起させるため、単一カラーが望ましいとされます。
- アニマル柄・毛皮・ハラコ素材:ヒョウ柄やパイソン柄、リアルファーは「殺生」を連想させるため、お祝いの席では明確にマナー違反と見なされます。
- 黒ストッキングや素足:黒ストッキングはお通夜や葬儀などの弔事を連想させ、素足はカジュアルすぎるため、必ず「肌色のプレーンストッキング」を着用するのがルールです。
- カジュアル素材(キャンバス・デニム・スニーカー・ブーツ):どれほどデザイン性が高く高価なブランド品であっても、格式を損なうため結婚式への着用は認められません。