物語の初期から中盤にかけて鮮烈な印象を残した鬼たちも忘れてはならない。下弦の伍・累は、那田蜘蛛山で偽りの家族を構築し、絆を求めて彷徨っていた切なくも歪んだ存在だった。彼との戦闘は炭治郎がヒノカミ神楽を覚醒させる決定的な契機となり、アニメーション史に残る名場面を生み出した。
また、十二鬼月の剥奪を経験しながらも太鼓の血鬼術で炭治郎らを苦しめた響凱や、朱紗丸・矢琶羽といった異能の鬼たち、そして鼓屋敷や藤襲山で新兵たちを喰らっていた手鬼など、初期の敵役たちも物語に重厚なリアリティを与えている。
さらに、無惨の支配を自力で脱し、人間に味方する異例の存在となった珠世と愈史郎の活躍も極めて重要だ。珠世の薬学的な研究と鬼の生態解明への執念は、最終決戦において無惨を追い詰める最大の鍵となっていく。