南草津のビジネスホテル需要がこれほどまでに熱を帯びている背景には、現代の旅行行動心理と地域経済の地殻変動があります。インバウンド需要の爆発的拡大に伴い、京都市内のホテル平均客室単価(ADR)は高止まりを続け、一般的なビジネスホテルであっても週末や繁忙期には1泊2万5,000円から3万円を超えることが珍しくありません。
この状況下で、旅行者や企業の出張管理部門(BTM)が選択しているのが「境界線を越えた宿泊迂回(スピルオーバー需要)」です。行動経済学における「知覚価値(移動コストと宿泊費のトレードオフ)」の観点から見ると、以下の事実が浮き彫りになります。
JR京都駅から南草津駅までは新快速でたったの17分、運賃も片道420円です。往復840円・所要時間34分を費やすだけで、宿泊費を1万5,000円〜2万円近く圧縮できる計算になります。さらに東横INN琵琶湖線南草津駅西口は無料朝食が付帯するため、食事代の出費も抑えられます。
「京都市内の狭く騒がしい高額ホテルに泊まるよりも、新快速で少し移動して、静かで清潔な滋賀の駅前ホテルに泊まるほうが睡眠の質もコストパフォーマンスも圧倒的に高い」という合理的な判断が定着した結果、本ホテルは現在、空室予約の争奪戦が起きるほどの人気を博しています。