巨大ターミナル・東京駅を背に歩くと、ガラスカーテンウォールが眩しい東京ミッドタウン八重洲がそびえ立ちます。このビル内に中央区立城東小学校が移転・開校したのは2022年9月のこと。開校当時は「ビルの中の小学校」として海外メディアからも熱い視線を集めました。
そもそも城東小学校は、関東大震災後の復興小学校として1929(昭和4)年に創立された長い歴史を持つ伝統校です。長年、八重洲の地で子どもたちを見守り続けてきましたが、校舎の老朽化が進むとともに、周辺のドーナツ化現象によって児童数の減少という構造的な課題に直面していました。
転機となったのが「八重洲二丁目北地区第一種市街地再開発事業」です。中央区と地権者、三井不動産をはじめとする再開発組合が協議を重ねた結果、導き出した解決策が「敷地を民間開発と一体化させ、権利変換によって超高層ビルの低層部に区立小学校を組み込む」という前代未聞の都市計画でした。仮校舎(旧阪本小学校校舎)での生活を経て、土地の有効活用と歴史ある学校の存続を両立させたこのモデルは、都心回帰が進む日本の都市再開発における記念碑的事例となっています。