では、そもそもなぜ小泉進次郎氏の名前と「年金80歳」というキーワードがこれほど強固に結びついてしまったのでしょうか。発端は、小泉氏が自民党の「2020年以降の経済財政構想小委員会」の事務局長や、党の厚生労働部会長を務めていた時期の一連の政策発言に遡ります。
当時、小泉氏は「人生100年時代」を見据えた社会保障モデルの再構築を主導していました。そのなかで小泉氏は、「定年という画一的なレールから個人を解放し、65歳や70歳を超えても意欲がある人が健康に働き続けられる社会をつくるべきだ」と主張。具体的には、「希望すれば80歳でも元気に働ける環境と、それに合わせた社会保障の選択肢を用意する」という趣旨の発言を行いました。
小泉氏が訴えていたのは、「80歳まで国民全員を働かせる」ことではなく、「定年で一律にリタイアを迫られるのではなく、働き続けたい人が不利益を被らない制度設計」でした。しかし、この「80歳まで元気に活躍できる社会」というフレーズが言葉足らずな形でメディアに切り取られ、「小泉進次郎は国民に80歳まで働けと強要している」という強烈なネガティブキャンペーンに転化していった経緯があります。