昭和・平成の遺物と思われがちなフィクサーの存在が、なぜ今再び関心を集めているのでしょうか。その理由は、近年の関西圏における大型再開発と政界再編にあります。
IR(統合型リゾート)誘致、リニア中央新幹線や北陸新幹線の延伸問題、さらには京都のインバウンド向けホテル開発ラッシュなど、巨額の資金が動く現場では、常に「目に見えない調整役」の存在が取り沙汰されます。しかし、コンプライアンス順守が徹底された現代において、かつての上田氏のような剛腕で問題を処理できる人物はもはや存在しません。
「グレーゾーンを清濁併せ呑んで解決した最後の世代」の象徴として、新たな利権問題や政界スキャンダルが浮上するたびに、上田藤兵衛という名が比較対象として引き合いに出されるのです。上田氏本人は現在、利権の第一線に関与することはありませんが、彼が残した影響力と人脈の残響は、今なお関西の地下水脈に深く刻まれています。