インターネット上の検索コミュニティやSNS上では、萬屋錦之介と萬屋一門を巡る情報について、いくつかの決定的な誤解がまことしやかに囁かれています。ここでは取材データに基づき、事実関係を明確に整理します。
誤解1:「島英津夫は萬屋錦之介の実子である」というデマ
検索ワードで「萬屋錦之介 島英津夫 次男」といった組み合わせが見られますが、これは完全な事実誤認です。前述の通り、島英津夫は淡路恵子と前夫(ビンゴ・ビンギ)の間に生まれた「実質的な長男」であり、錦之介とは血縁関係のない「養子」です。錦之介にとっての「実子」は三男・晃弘と四男・哲史の2人のみであり、ネット上で島英津夫が実子と混同されているケースは誤りです。
誤解2:「萬屋錦之介の直系の血が途絶えたため、萬屋は消滅した」という誤謬
「錦之介の実の息子たちが全員他界したため、萬屋一門の後継者は消滅した」という言説も散見されます。確かに「萬屋錦之介の直系男子」という意味での歌舞伎役者後継者は存在しません。しかし、萬屋という屋号そのものは、錦之介一人だけのものではなく、小川五兄弟とその血統全体を包括するものです。
現在、兄・四代目時蔵の系統である初代中村萬壽(2024年に五代目中村時蔵から改名)、その息子である六代目中村時蔵、孫の中村梅枝が萬屋の正統な本流として歌舞伎界の幹部を務めています。さらに、三兄の息子である二代目中村獅童、そして獅童の愛息である小川陽喜・小川夏幹兄弟が歌舞伎の舞台で熱烈な喝采を浴びており、萬屋のスピリットと血脈はむしろ今世紀最大級の盛り上がりを見せています。