「以前は即座に届いていたアカウントなのに、近ごろ急に受信がもたつくようになった」というケースでは、プロトコルの問題ではなくiOSの省電力・通知制御機能が水面下で干渉している可能性が高くなります。
もっとも警戒すべきは低電力モードによるメール受信の遅れです。バッテリー残量が20%を下回った際に案内される黄色い電池アイコンの機能ですが、バッテリー消費を抑える代償として、システム全体のバックグラウンド通信を強制的に凍結させます。このモードが有効化されている間、フェッチ通信は一切行われず、プッシュ通信の受信待受けソケットも優先度を下げられます。充電器に接続して80%を超えるまで、メールの自律的な取得は停止し続けます。
さらに盲点となりやすいのが、バックグラウンドアプリ更新の無効化とiOSの集中モードによるメール通知の非表示です。バックグラウンド更新がオフになっていると、アプリ側が待機時間にネットワークを通じて新着インデックスを構築できません。また、集中モード(パーソナルや仕事など)が意図せず時間帯スケジュールで作動している場合、内部的にはメールが到着していても、ロック画面のバナーやサウンドが一切遮断され、「通知が来ない=メールが届いていない」という誤認を生み出します。