カーテン売り場やオーダーカーテンの注文票を見ると、ほぼすべてのメーカーで「レースカーテンはドレープカーテンより短く作る」ことが推奨されています。これには、単なる見た目の美しさだけにとどまらない、機能面・衛生面の明確な根拠があります。
最大の理由は、部屋の内側にあるドレープカーテンの裾からレースカーテンがはみ出るのを防ぐためです。ドレープとレースを同じ長さで作ってしまうと、生地の重みや縫製誤差によってレース側が下からのぞき見え、空間全体がだらしない印象を与えてしまいます。手前のドレープを1〜2cm長めに設定することで、外側のレースがすっきりと隠れ、端正な二重吊りのシルエットが完成します。
さらに見逃せないのが、開閉時の摩擦と汚れの防止です。厚地とレースの裾が同じ位置にあると、カーテンを開け閉めするたびに裾同士が擦れ合い、静電気が発生してホコリを吸着しやすくなります。丈に差をつけることで生地同士の干渉を減らし、スムーズな開閉と生地の長寿命化を実現しています。
また、窓ガラスに発生する結露への対策も関係しています。レースカーテンは窓ガラスに最も近い位置に吊るされるため、長すぎて窓枠や床に接していると、結露の水分を毛細管現象で吸い上げてしまい、裾に黒カビが発生する原因になります。裾を浮かせて空気の通り道を確保することは、衛生環境を保つうえでも不可欠な設計です。