現在、ネット発のバラードはメインストリームのJ-POPシーンをも大きく塗り替えている。かつてのような定型的なラブソングではなく、人間のドロドロとした弱さや救われない心を描いた楽曲が、ストリーミングチャートの上位を独占することも珍しくなくなった。
サブスクリプションサービスの普及に伴い、音楽配信業界の構造は激変した。リスナーは受動的に与えられるヒット曲ではなく、自らの孤独に寄り添ってくれる「本物の叫び」を能動的にディグ(探索)している。メジャーとインディーズ、ボカロ曲と商業音楽の境界線は完全に消え去り、『贖罪』のようなディープな世界観を持つ楽曲こそが、時代を象徴するマスターピースとして定着したのだ。