番組のテンポとスリルを支配していたのは、間違いなく司会進行を務めた大橋巨泉の手腕だった。「倍率ドン!さらに倍!」の掛け声とともに即座にオッズを弾き出すそのスピード感は、まさに職人技。解答者それぞれの得意分野や調子をその場で分析し、絶妙な倍率をつけることで、出場者だけでなくお茶の間にも極上の心理戦を提供していた。
巨泉の不在時や番組の後期において、そのバトンを受け継いだ徳光和夫の存在も見逃せない。巨泉の鋭いツッコミとは対照的に、徳光は温かみのある語り口と卓越したアナウンス技術でスタジオを包み込んだ。二人の異なるタイプの名司会者がいたからこそ、番組のクオリティは長年にわたって高く維持され続けたのだ。