初めて訪れた旅行者の多くが口を揃えて抱く疑問が、「なぜこれほど充実した施設が無料なのか」という点です。民間企業が運営するテーマパークであれば、入場料2,000円から3,000円を設定しても不思議ではない規模を誇ります。このてつのくじら館 入場料無料の理由は、本施設が防衛省・海上自衛隊の公式な広報活動拠点(海上自衛隊呉史料館)として設置・運営されている公の施設であるためです。
国の安全保障や防衛政策、そして日夜過酷な環境下で任務にあたる自衛隊員の活動実態を、広く国民に正しく理解してもらうことが設立の主目的です。税金によって整備・維持されている公的機関の展示である以上、広く開かれた学びの場として提供することが義務付けられており、営利目的の入場料徴収を行っていません。
さらに人気の秘密は、単なる「無料の公共施設」にとどまらない圧倒的なリアリティにあります。展示されている潜水艦「あきしお」は、1986年から2004年まで実際に日本の海域防衛の第一線で活躍した実物です。退役後に機密区画を慎重に解除・加工したうえで地上に設置されており、ハリボテの模型では決して味わえない「本物の鉄の重み」と「現場の緊張感」が訪れる者の知的好奇心を刺激し続けています。