一口に中華圏の味覚覚といっても、その表情は実に多彩だ。一般的に油を豪快に使い、強火でガツンと仕上げる中華料理に対し、素材の持ち味を生かしてハーブや薬膳を繊細に効かせるのが台湾料理の真骨頂である。台湾料理 楽楽が提供する皿の数々は、その伝統を忠実に守りながらも、日本人の舌に鮮やかな驚きを与える絶妙なバランス感覚で構成されている。
厨房を覗けば、無駄のない動きで鍋を振る料理人たちの姿がある。油っこさを感じさせない軽やかな後味のスープ、噛むほどに旨味が滲み出る乾物の使い方。大陸の豪快さと島国ならではの繊細な出汁文化が融合したこの店の味は、既存の枠組みを軽々と飛び越えていく。