2026年の幕開けとともに板前が打ち出した最新の限定おまかせコースは、まさに職人の集大成と呼ぶにふさわしい。日本海の荒波でもまれた佐渡産の寒ブリや、深海から引き揚げられたノドグロを、独自の熟成技法で旨味の極限まで引き上げている。伝統的な仕込みを守りつつも、革新的なアプローチを取り入れたその味わいは、口に入れた瞬間にシャリと溶け合い、豊かな余韻を残す。
仕込みは毎朝、まだ街が眠りにつく未明から始まる。魚種ごとに異なる皮目の引き方、塩の振り加減、酢の合わせ方まで、その日の気温や湿度に合わせて微細に調整される。仕込みの段階で鮨の完成度の8割が決まると言い切る職人の目つきには、一切の妥協が存在しない。こうした一切の隙を見せない手仕事こそが、食通たちの舌を唸らせ続ける原動力なのだ。