ネット上のQ&AサイトやSNSでは、エアコンの室外機トラブルに関して技術的根拠を欠いた「危険な民間療法」が散見されます。それらを信じ込んだ結果、機器を完全に破壊したり安全を脅かす事故に発展する例が後を絶ちません。
誤解1:「DIY用の冷媒ガス缶を買って自分で充填すれば安く直る」
ECサイトなどで海外製の代替冷媒やチャージホースが販売されていることから、個人でのガス充填を試みるユーザーが一定数存在します。しかし、現在の家庭用エアコンの主流である「R32」冷媒は「微燃性」の特性を持ち、作業手順を誤ると引火・爆発の危険が伴います。
さらに、配管内部に水分や空気が混入した状態で高圧をかけると、内部で異常発熱を起こしてコンプレッサーが破裂する事故が実際に報告されています。専用のマニホールドゲージによる圧力測定や高精度な真空引きポンプを用いないDIYガス補充は、百害あって一利なしの極めて危険な行為です。
誤解2:「冬場の電気代を下げるために室外機カバーを年中つけっぱなしにする」
ホームセンター等で販売されている室外機の日よけパネルや防塵カバーですが、暖房期に前面の吹き出し口を少しでも塞ぐような形状のカバーを装着していると、室外機から吹き出した冷風を背面の吸込口が再び吸い込んでしまう「ショートサーキット(空気の短絡)」を引き起こします。
ショートサーキットが発生すると、室外機周辺の温度が急激に低下し、熱交換器のフィンが瞬く間に凍結。霜取り運転が頻発して暖房が全く効かなくなるばかりか、消費電力量が通常稼働時の1.5倍以上に跳ね上がります。暖房シーズンにおける室外機カバーの装着は厳禁です。