テレビ受像機の前に家族全員が集まって観戦するスタイルは、確実に解体されつつあります。SNSやオンラインコミュニティの反応を定点観測すると、ファンの視聴行動における明確な地殻変動が浮き彫りになります。
「本田圭佑氏の忖度なき解説が面白すぎて、テレビがあるのにABEMAばかり観ていた」「深夜の試合を布団の中でスマホ視聴できる手軽さから戻れない」といった声がSNS上で大半を占めたカタール大会以降、ユーザーが求める価値は「大画面」から「自由度とコメント欄のライブ感」へと移行しました。
一方で、通信環境に起因するタイムラグ(遅延問題)に対する不満も根強く存在します。隣の家からゴールの歓声が先に聞こえてネタバレを食らう「遅延の壁」は、リアルタイム性を至上命題とするスポーツ中継において依然として議論の対象です。テレビ放送の同時性と、ネット配信の利便性・高機能性が激しくせめぎ合っているのが現場の偽らざる実態です。