核心的な結末の暴露は避けますが、本作が高評価を獲得している理由は単なるギミックの目新しさだけではありません。ストーリーの骨格にあるのは、「視点が変われば、救済は暴力へと姿を変える」という哲学的な命題です。
プレイヤーは最初、見知らぬ崩壊都市で「無辜の市民を救う孤独な英雄」として行動します。しかし、世界の反転操作を重ねるにつれ、自分が信じていた「正義の行動」が、別の角度から見れば他者の日常を破壊する引き金になっていたという冷徹な現実に直面させられます。
従来のヒーロー譚が与えてくれる心地よい全能感を、丁寧かつ残酷に剥ぎ取っていく過程。そこに立ち現れる主人公の懊悩と決断が、大人の鑑賞に堪え得る深いカタルシスを生み出しています。