平面図形において、対角線の長さを求める基本原理となるのが三平方の定理(ピタゴラスの定理)です。文部科学省の中学校学習指導要領(数学編)においても、直角三角形の斜辺を求める幾何の要として位置づけられています。
直角三角形の2つの直角を挟む辺を $a$、$b$、斜辺を $c$ と置いたとき、以下の関係式が成り立ちます。
$$a^2 + b^2 = c^2 \implies c = \sqrt{a^2 + b^2}$$
長方形の対角線 計算の実践ステップ
長方形に対角線を1本引くと、合同な2つの直角三角形に分かれます。この直角三角形の斜辺が、まさに長方形の対角線です。
たとえば、縦が 3cm、横が 4cm の長方形の場合、計算は次のようになります。
$$c = \sqrt{3^2 + 4^2} = \sqrt{9 + 16} = \sqrt{25} = 5\text{ cm}$$
「3:4:5」の比率は建築現場でも「大工の知恵(規矩術)」として直角を確認する際に頻繁に使われています。同様に「5:12:13」や「8:15:17」といった代表的な整数の比(ピタゴラス数)を覚えておくと、電卓を取り出さずに瞬時に暗算が完了します。
正方形の対角線の求め方と白銀比
正方形は縦と横の長さが等しいため、一辺を $a$ とすると三平方の定理から斜辺は次の通りに導かれます。
$$c = \sqrt{a^2 + a^2} = \sqrt{2a^2} = a\sqrt{2}$$
$\sqrt{2}$ はおよそ 1.41421356...(一夜一夜に人見ごろ)という無理数です。つまり、「一辺の長さに1.414を掛ける」だけで、正方形の対角線の長さは簡単に導き出せます。一辺が10cmの正方形であれば、対角線は約14.14cmとなります。