カビを発見した際、多くの人が直感的に行いがちな対処法のなかに、製品寿命を縮める致命的な誤りや健康被害を招くリスクが潜んでいます。正しい除去へ進む前に、まずは避けるべきNG行動を明確にしておく必要があります。
最大の落とし穴といえるのが、市販の浴室用塩素系漂白剤(カビキラーやハイターなど)を原液のままマットレスへ吹きかける行為です。塩素系成分は強力な脱色作用を持つため側生地の柄や色を破壊するだけでなく、内部のウレタンフォームを化学的に溶解・劣化させます。さらに、十分にすすぎ流せない構造上、残留した塩素成分が皮膚炎や呼吸器系の刺激を引き起こす危険性があります。
また、コインランドリーの大型乾燥機にウレタンマットレスを投入する行為も極めて危険です。ウレタンは熱伝導率が低く蓄熱しやすいため、高熱風によって内部が炭化・融解し、最悪の場合は自然発火事故を引き起こす恐れがあります。多くのランドリー施設でもウレタン製品の洗濯・乾燥は利用規約で固く禁止されています。
これらの一方で、発見したカビを「見えない場所だから」と放置するリスクは計り知れません。カビの胞子(クラドスポリウムやアスペルギルスなど)を毎晩吸い込み続けることで、気管支喘息、アレルギー性鼻炎、夏型過敏性肺炎などの深刻な呼吸器疾患を発症するリスクが高まります。特に免疫力の低い乳幼児や高齢者が同居している環境では、早期の対応が求められます。