近づけば針で刺し合い、離れれば凍えてしまう。ドイツの哲学者ショーペンハウアーが説いた「ヤマアラシのジレンマ」は、名作アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の中で碇シンジの孤独と葛藤を象徴するモチーフとして描かれ、今なお多くの人々の共感を呼び続けている。他者との接触に怯え、殻に閉じこもるシンジの心理描写は、まさに好意恐怖症を抱える現代人の心の縮図だ。
また、Netflixなどのストリーミングプラットフォームで再評価が進む名作映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』でも、主人公ウィルが真実の愛に直面した際、傷つくことを恐れて自ら恋人を突き放す痛烈なシーンが描かれている。「完璧な自分が崩れる前に逃げる」という行動パターンは、フィクションの世界だけでなく、現代のリアルな人間関係のあちこちで静かに繰り返されている。