芦ノ湖を訪れる観光客が現地で最も混乱するのが、「似たような港の名前」と「2つの異なる船会社」の存在です。旅行掲示板やSNS上でも、「チケット窓口で買い直す羽目になった」「乗る船を間違えてフリーパスが使えなかった」という声が毎月のように投稿されています。
「箱根町港」と「元箱根港」の決定的な違い
湖の南東部に位置する2つの港は、距離にして直線約1.5kmしか離れていません。しかし、下船後の観光目的は明確に異なります。箱根町港と元箱根港の違いを端的に言えば、「箱根関所・恩賜箱根公園」へ行くなら箱根町港であり、「箱根神社・平和の鳥居」を目指すなら元箱根港です。海賊船の定期航路は両港を結んでいるため、元箱根港で降りるべき乗客が箱根町港で誤って下船してしまうと、神社まで約20分以上の徒歩移動を強いられることになります。
「芦ノ湖遊覧船」と「箱根海賊船」の違い
さらに深刻なのが、芦ノ湖遊覧船と箱根海賊船の違いです。芦ノ湖には、小田急グループが運営する「箱根海賊船(派手な帆船デザイン)」と、西武グループ(伊豆箱根鉄道)が運営する「芦ノ湖遊覧船(双胴船などの近代的な船型)」の2陣営が並行して運航しています。
元箱根港の湖畔には、海賊船の乗り場からわずか数百メートル離れた場所に「元箱根(伊豆箱根)」桟橋が存在します。最大の落とし穴は、小田急電鉄が発行する「箱根フリーパス」では西武系の芦ノ湖遊覧船に乗船できない点です。逆に、西武系の企画乗車券(箱根旅助けなど)では海賊船に乗船できません。自分が所持しているデジタルチケットや乗車券の対象会社と、桟橋のロゴマークが一致しているかを改札通過前に必ず確認してください。