単なる爽快なバトルアクションにとどまらないのが、本作が「怪物級の傑作」と評される所以だ。劇中で描かれる神々は、地上を統治する絶対者でありながら、人間を駒として扱う冷酷な支配者として描かれる。神々の定めた秩序に疑問を投げかけ、「民のために神を斬る」という哲学を掲げて突き進む物語の深層には、現代社会にも通じる権力への批判精神が脈打っている。
緻密に組み上げられた世界観と、幾重にも重なる伏線。一見すると絶望的な格差や理不尽な運命に対して、主人公たちが牙を剥く展開は、読者の感情を激しく揺さぶる。一筋縄ではいかない政治劇と高度な思想戦が交錯するドラマは、大人世代の読者をも唸らせる完成度を誇る。