2006年9月、兵庫県たつの市の路上で、塾帰りの小学4年生の女児が何者かに刃物で刺され、重傷を負った。犯人は闇に紛れて逃走し、有力な手がかりが得られないまま歳月だけが流れた。住民の記憶から薄れかけ、迷宮入りが囁かれていた中、事態が動いたのは2026年末のことだ。別の事件で服役中だった男の関与が浮上し、逮捕に至ったのである。
そして2026年、いよいよ本格的な裁判が始まった。法廷で明かされる供述の一つひとつに、遺族のみならず、日本中が固唾をのんで注目している。失われた時間は戻らない。しかし、真実を知ることは、遺族にとっての止まった時計を動かす唯一の鍵なのだ。