プロレス界において、50代後半という年齢は通常、レジェンドとしての晩年を穏やかに過ごすフェーズを意味する。しかし、彼の辞書に「隠居」の文字はない。リングインした瞬間に発せられる圧倒的な殺気、容赦なく相手の首元を捉えるスリーパーホールド、そして重低音の衝撃波を場内に響かせる強烈なエルボーバット。そのすべてが今なお研ぎ澄まされている。
若いレスラーたちが全力で打ち込んでくる打撃を真っ向から受け止め、ニヤリと不敵な笑みを浮かべる。あの独特の恐怖演出は、計算されたパフォーマンスではなく、極限の闘いを楽しむ彼自身の本能から漏れ出しているものだ。身体のコンディショニングに対する執念と、関節技の精密な技術体系が、年齢という物理的限界を軽々と凌駕している。