SNSなどで「衿元を絶対に崩さないためには衿芯を2枚重ねにするべき」という情報が散見されますが、これには明確な適正とリスクがあります。
衿芯を2枚重ねにする最大の理由は、「振袖や花嫁衣装など、衣紋を大きく深く抜く際に衿の立ち上がりを強固にキープするため」です。重い丸帯や豪華な変わり結びをする場合、帯の重みに負けて衿元が後ろへ引っ張られたり潰れたりするのを防ぐ目的で用いられます。
しかし、普段着の小紋や紬、薄手の訪問着で2枚重ねにすると、首回りがガチガチに不自然に固まり、首を痛める原因になります。日常的な着付けであれば、適度な厚みの衿芯1枚で十分な美しさを保てます。
また、「浴衣に衿芯を入れてよいのか」という疑問に対しては、現代の着付けにおいて「むしろ推奨されるケースが多い」というのが最新のコンセンサスです。浴衣の衿裏(掛け衿の内側)に小さな切り込みを入れ、メッシュ芯を通すことで、汗をかいても衿元がへたらず、清潔感のある美しい着姿が夜まで持続します。