歌舞伎の見栄はなぜ止まる?寄り目の理由から大向こうまで徹底解説の真相や最新動向に迫る! 専門的な視点でまとめました。
歌舞伎の見栄は作品の演目や役柄、東西の芸風によって多彩に分かれます。江戸歌舞伎を象徴する超人的ヒーローの「荒事」では筋肉や骨格を誇張した力強い見栄が多用される一方、上方(京都・大阪)で発達した柔らかく優美な「和事(わごと)」では、色気や内省的な情動を漂わせる繊細な見栄が特徴です。
見栄の名称・様式主な特徴と身体表現代表的な演目・役柄演出の意図・舞台効果元禄見栄(げんろくみえ)片手を高く掲げ、片足を力強く踏み出して反り返る豪快な姿勢『暫』鎌倉権五郎超人的な力強さと神仏の化身のような圧倒的存在感を誇示する不動の見栄(ふどうのみえ)不動明王の立像を模し、右手に巻物や刀、左手に数珠を持つポーズ『勧進帳』武蔵坊弁慶主君を守り抜く強靭な精神力と、宗教的な荘厳美を同時に体現する石投げの見栄(いしなげのみえ)遠くへ石を投げようと振りかぶったような躍動感ある体勢『勧進帳』弁慶(花道の引っ込み前)緊迫した状況を切り抜けた解放感と、次の行動への爆発的エネルギーを表現天地人の見栄(てんちじんのみえ)複数人の役者が高低差(上段・中段・下段)をつけて立体的に静止『菅原伝授手習鑑』車引舞台全体を一幅の錦絵(絵画)のように美しく構築し、構図美を極限化和事の見栄(わごと)身体の芯をしならせ、首を傾げて柔らかく流れるような所作で極める『廓文章』吉田屋の伊左衛門色気、優美さ、情けなさと隣り合わせの人間味あふれる叙情を醸し出す