この回転現象のルーツを探るには、時計の針を1997年まで巻き戻す必要がある。発信源は、ゲーム史に燦然と輝く任天堂株式会社の名作『スターフォックス64』だ。
当時の最新ハードであったNintendo 64向けに発売された同作で、主人公フォックス・マクラウドを補佐するベテランパイロット、ペッピー・ヘア。彼が戦闘中に放つ「Do a barrel roll!(ローリングで弾をはじくんだ!)」という無線通信の指示こそが、すべての発端となった。
任天堂のレジェンドクリエイター・宮本茂氏が手がけた濃密なゲームデザインにおいて、敵のレーザー攻撃を機体のきりもみ回転で弾き返すアクションは攻略の生命線だった。ペッピーの緊迫感あふれる叫び声はプレイヤーの脳裏に焼き付き、北米をはじめとする英語圏のインターネットコミュニティで爆発的なミーム(流行語)へと昇華していった。「困ったことが起きたら、とりあえずバレルロールをしろ」――そんなネットスラングの誕生である。