今回最大のハイライトとなったのは、長年「定位置」と揶揄されてきた下位常連エリアによる鮮烈な下克上劇だ。なかでも長きにわたり最下位争いの渦中に置かれてきた茨城県をはじめとする北関東勢の動きは、これまでの構図を根底から覆した。
「自虐ネタに頼るフェーズは完全に終わりました」
ある県庁のプロモーション担当者はそう言い切る。かつては最下位を逆手に取った自虐PRでメディア露出を稼ぐ手法が主流だったが、その賞味期限はとっくに切れていた。今回順位を大きく押し上げた自治体が舵を切ったのは、食やアクティビティといった体験価値の徹底的な再定義だ。東京圏の若年層をピンポイントで狙い撃ちにしたSNS発信や、ふるさと納税返礼品と連動した体験型観光の設計が見事に奏功した形である。
一方で、順位を大きく落とし「まさかの急落」に見舞われた県も少なくない。過去の栄光に安住し、情報発信のアップデートを怠った地域ほど、生活者の関心から容赦なく脱落していく。47都道府県のスコアシートを仔細に点検すると、上位と下位の格差を生んでいるのは観光資源の絶対量ではなく、「認知をいかに自分事化させるか」というマーケティング精度の差であることが浮き彫りになる。