1990年代初頭、巨匠・丹下健三の設計によって誕生した東京都庁第一本庁舎。ゴシック教会を思わせるその峻厳なフォルムは、竣工当時から賛否両論を巻き起こした。しかし四半世紀以上の時を経て、この建築は単なる時代の遺物ではなく、進化し続ける都市のシンボルとしての真価を発揮している。
丹下健三が描いた構造美は、現代のスマート化にも耐えうる圧倒的な拡張性を備えていた。巨大な空間設計は、最先端の通信設備や防災ネットワークを後付けで組み込む余地を残していたのだ。モダニズム建築の美学と21世紀の最新テクノロジーが交差する場所。この建造物は、東京という都市の記憶を保持しながら、未来への架け橋として今も異彩を放っている。