現在、日本球界屈指の左バッターとして知られる近藤健介選手ですが、実は日常生活では右利きです。文字を書くのも箸を持つのも右手であり、幼少期の投げ方・打ち方も元々は右投右打でした。
左打ちへと舵を切った最大の要因こそが、「兄・亮太さんのフォームへの憧れ」でした。4歳上の兄が左打席から鋭い打球を放つ姿を間近で見ていた幼少の健介選手は、兄の真似をして左打席に入るようになりました。兄の滑らかなスイング軌道を目に焼き付け、それを鏡のように模倣することで、無理のない美しいスイングプレーンを体得していったのです。
当時の兄弟練習について、関係者は次のような証言を残しています。
「健介は兄貴のことが大好きで、亮太君の打球の速さに少しでも追いつきたいと必死だった。兄が高校で厳しい練習を積んで帰ってくると、その日の練習メニューや打撃の感覚を熱心に聞き出し、庭ですぐに試していた」
兄という身近で偉大なライバルがいたからこそ、ボールを極限まで引きつけて見極める選球眼と、どんなコースにも柔軟に対応できるバットコントロールの原型が完成しました。