故郷である北海道北見市常呂町でチームを立ち上げると決めたとき、周囲の反応は冷ややかだった。資金も、練習環境も、十分な保証すら何一つない。「地方の小さな町から世界へ」という目標は、周囲にはあまりに無謀な夢と映ったのだ。スポンサー探しのために自らスーツを着て企業を回り、頭を下げ続ける日々。手帳に書き殴られた当時の苦心惨憺たるメモには、資金繰りに焦る心境と「絶対に故郷に誇れるチームを作る」という固い決意が混在していた。
転機となったのは、チーム編成の変革だ。確かな才能を持ちながらも環境に苦しんでいた藤澤五月をエースとして迎え入れ、チームの精神的支柱となる吉田知那美と合流させたこと。単に技術が高い選手を集めたのではない。全員が同じ方向を向き、互いの人間性を尊重し合える環境を作り上げた。この徹底した人間尊重の哲学こそが、ロコ・ソラーレの最大の強みとなったのだ。