ファンや批評家の間で深く掘り下げられてきたのが、SEKAI NO OWARI『眠り姫』の歌詞の意味です。タイトルや童話的な装飾とは裏腹に、本作の根底にあるテーマは「生と死」、そして「不可逆的な時間の残酷さ」に他なりません。Fukase自身も当時の音楽誌(『ROCKIN'ON JAPAN』や『MUSICA』など)のインタビューにおいて、「眠り」を「死」の象徴として描いたことを明かしています。
人間は眠りについた瞬間、どれほど愛し合っている相手であっても同じ夢の世界へ連れていくことはできず、一人きりの領域へと旅立ちます。この「眠り=他者が干渉できない孤独な世界」という構図を、Fukaseは「いずれ訪れる死」へと重ね合わせました。歌詞中に現れる《君を起こす魔法》や《死の恐怖》を連想させる描写は、ロマンチックなファンタジーではなく、いつか確実に愛する人を失うという絶対的な運命に対する激しい抵抗の表れです。
だからこそ、セカオワ『眠り姫』が泣ける理由は、単なる悲恋ではなく「今隣にいる人の命の尊さ」を強烈に突きつけられる点にあります。恐ろしい結末を知りながらも、今この瞬間を全力で愛そうとする祈りにも似た感情が、リスナーの涙腺を激しく刺激するのです。