初めてこの街を訪れる者が圧倒されずにハシゴ酒を楽しむには、明確な戦略が必要だ。日没前の夕刻、まずは桜木町駅側の玄関口に位置する気軽な立ち飲み屋で「軽く1杯」からスタートするのが鉄則とされる。最初の1杯で喉を潤したら、メインストリートから一本入った小道を目指したい。そこには、地元民が長年愛し続けるもつ焼きや鮮魚を扱う老舗が隠れている。
独占取材で見えてきたのは、常連しか頼まない「裏メニュー」や数量限定の看板料理の存在だ。たとえば、毎夕仕入れる新鮮なモツを使った煮込みや、特製タレで香ばしく焼き上げた串焼きは、売り切れ必至の逸品として知られる。一軒あたり滞在時間を40分程度に留め、名物料理1品と酒1杯で次の店へと暖簾をくぐる。このテンポの良さこそが、失敗しない「居酒屋巡り」の黄金法則だ。