物語が北三陸から東京へと舞台を移すと、種市先輩の運命も大きく動き出す。
羽ばたくアキを追いかけるように上京したものの、彼を待ち受けていたのは厳しい現実だった。潜水士としての夢を絶たれ、寿司屋の丁稚として働く日々。あの輝いていた先輩が、都会の片隅で自信を失い、うつむく姿に胸を痛めたファンは多い。
しかし、ここからの彼の復活劇こそが「あまちゃん」の裏の主役とも言える見どころだ。プライドを捨て、一から出直す泥臭さ。そして、アキとの関係性も「憧れの対象」から「対等なパートナー」へと変化していく。二人が東京の居酒屋や寿司屋のカウンターで交わす会話には、大人の階段を上る若者たちのリアルな痛みが伴っていた。