本作に関してネット上で時折見受けられる誤解のひとつが、「単なる軽快なコスプレコメディであり、本格ミステリーとしての論理性に欠けるのではないか」という先入観です。しかし、これは作品の表層しか見ていない見解と言わざるを得ません。
原作を手掛けた柚月裕子氏は、緻密な伏線回収と法廷・犯罪心理のリアリティに定評がある作家です。ドラマ版においても、第1話から散りばめられていた涼子の激辛好きという設定や突発的なフラッシュバック、貴山の父親の医療記録など、すべての細部が最終回に向けた伏線として機能しています。変装コメディという親しみやすいコーティングの奥に、本格犯罪心理サスペンスの強固な骨格が隠されている点こそが本作の真価です。
【プロの結論】おすすめできる人・慎重になるべき人の判断基準
エンタメジャーナリズムの観点から、本作の鑑賞が適している層と慎重に判断すべき層を整理しました。
【鑑賞を強くおすすめできる人】
- 痛快な勧善懲悪ストーリーで、日頃のストレスをスカッと発散したい人
- 天海祐希×松下洸平のコミカルかつ信頼感あふれるバディ関係を堪能したい人
- 変装潜入劇や、悪徳詐欺師を欺くコンゲーム(騙し合い)の手口が好きな人
【ややミスマッチとなる可能性がある人】
- 『孤狼の血』のような、救いのない重厚かつ陰惨なハードボイルドのみを求めている人
- コメディ演出やオーバーアクションが苦手で、淡々としたドキュメンタリー調の推理劇を好む人