1970年代、連続ドラマとしてフジテレビジョン系列で放送された本作は、お茶の間に強烈なインパクトを与えた。映画的な陰影を巧みに取り入れた照明演出と、型破りなアングルによるカメラワークは、当時の日本のテレビドラマ界において極めて革新的な試みだった。
そして年月を経て2018年、約半世紀の時を超えて制作されたのがスペシャルドラマ『眠狂四郎 The Final』である。名優・田村正和がキャリアの晩年に再び狂四郎の着流しに袖を通し、生涯最後の主演作となったこの一作は、まさに役者人生の集大成となった。衰えを知らぬ太刀さばきと、長い歳月を経て深みを増した無常観。画面から溢れ出る圧倒的な気迫は、ひとつの時代劇カルチャーの幕引きにふさわしい荘厳さを湛えていた。